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ソレは、そっと降り積もる・・・。
第23章 宿り木の下で偽りの口付けを
映像は、紛れもなくコトの記録と言えた。
「っ・・・・・・」
耐えきれずにパネルを閉じたが音声は、停止も電源も切っていないので流れ続けた。
「〔あっ、ジュリアスさまッ・・・〕」
「〔こらっ、俺を拒むなっ!!〕」
流れる声が艶めいて色香に染まっている。
「大丈夫ですか、珱月さん。」
「あ、あの・・・っ」
「ふふ、驚きましたわよね。〝あなただけ・・・〟なんて言っていた方がこうも豹変してしまうと。」
「そ、れは・・・・・・」
声が震えて上手く返せない。そうしているうちに彼女がビデオカメラを取って電源を落とした。ようやく拷問のような音声がなくなった。
「ふふ、顔色がお悪いですわね・・・珱月さん。」
〝わざと〟・・・そう全ては、彼女が〝わざと〟見せつけている。