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ソレは、そっと降り積もる・・・。
第32章 真実は・・・・・・
「いまでは、没落寸前の当家でも歴《レッキ》とした伯爵家ですからそう言う輩に名前を口にされることは・・・致し方ありませんわね。」
「命が係《カカ》っていると言うのに、〝虚偽〟をすると?」
「皆、〝助かりたい〟一心でどんな嘘も申すでしょう?」
「君には、〝慈悲〟など欠片もないのだな。」
目の前の女の物言いに改めて気持ちが冷めていく。こんな人間と夫婦になど決してなれない。いいや・・・彼女に出逢う前の自分なら〝お飾りとして丁度いい〟などと思い至って結婚していたかもしれない。
それを改めて考えても恐ろしい。
「〝慈悲〟などパフォーマンスでは、ありませんか。」
「そうか・・・では、本題に入ろうか。」
「はい、ジュリアスさま。」
彼女がようやく対面のソファーに座った。
「お話しとは、なんでしょう。」