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ソレは、そっと降り積もる・・・。
第33章  両親よりも・・・
  


「あなたにこの部屋が相応しいの?」


「あ、私・・・・・・」


 〝好き〟だと言う気持ちさえも一時の感情なのではないかと思わされていく。


「少し・・・ジュリアスさんと、話して来る。」


「ああ、そうしなさい。それできちんとお断りしなさい。」


 両親を説得するハズが自分がされてしまいそうだった。部屋を出るとリビングで執事と話している声が訊こえて傍まで寄った。


「珱月さまは、大丈夫でしょうか。」


「なんだ。ロイは、心配性だな。」


「ええ、心配でございますよ。この国では、滅多にお目にかかれないお方だと思います。」


「そうだな。この国のヤツは、口が開けば〝どこそこの誰が立派な婚儀を挙げた・どこそこの官吏《カンリ》に誰が着いた〟とまぁ・・・自慢話にしか興味がないし生まれながらの役割を疑問にも思わんからな。」


  
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