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ソレは、そっと降り積もる・・・。
第35章 邪心の潔白
ソレは・・・純粋な、念《オモ》い。ソレこそが・・・・・・全て。
「ミエリアさま。朝食です。」
収監が声を掛けてトレーを差し出し口から入れる。
「ご苦労さま。」
居心地がいい訳ではないがなぜだか狭く冷たい檻と言う部屋の中で落ち着いていた。
昨夜の遅くに不意を突かれて拘束され収監された。あれ以来誰も逢いには来ない。来られたとしても素直に自供する気などない。
自分は、なにひとつ〝悪いこと〟などしていない。
「お義兄さまは、どうしているかしらね・・・」
血の気が多く自分の為ならばなにをも厭《イト》わない兄の存在が心配でたまらない。この状況は、別に構いはしないのだが兄が〝コトを〟起こすことの方が大問題を生みかねない。
ハッキリ言って兄は、頭脳派ではない。兄が暴走しないように執事が見ていてくれればいいのだが・・・