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ソレは、そっと降り積もる・・・。
第35章 邪心の潔白
「ありがとう、お父さんお母さん。」
「倖せに、なりなさい。」
そう言って優しく強く抱き締めてくれた。
「お前だけ、〝倖せ〟?そんなことは、させないぞ・・・〝黒髪の乙女〟。」
「え・・・・・・?」
両親との和解が上手くいき気を抜いている所で声が訊こえて振り返る。
「付き合ってもらうぞ!!」
「きゃっ!!」
父の腕が無理矢理放され現れた男に腕を引かれる。どうやら父が〝帰る〟と門の前に行ったのが原因のようだ。門は、開いていた。
「「珱月っ!!」」
両親は、突然のことに叫んだ。
「「珱月さまっ!!」」
もちろん家族の動向を見守っていた執事もメイドも同じように声を上げた。
「ジュリアスに伝えておけ。〝黒髪の乙女〟は、預かった。無事に帰して欲しいならミエリアを解放しとって、な。」