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ソレは、そっと降り積もる・・・。
第35章  邪心の潔白
  


「ご自分の非をお認めになる気は、ないのですか?」


「さあ・・・私の〝非〟ってなんなのかしら。教えくれないかしら。」


 言わせたい事柄は、判りきっていた。しかし本当に自分に非があるなんて思ってもいない。
 結婚をお膳立てした者たちがしっかりと下準備をしてくれないから自らが行動したに過ぎないのだ。


「親衛隊長・ジュリアスさまの婚約者殿を襲わせましたよね?それも何度も。」


「ふふ、もしそうだとして・・・〝私〟がしたと言うハッキリとした証拠があるのかしら?」


 ひとつも〝そうね〟と言える証拠じゃないのでのらりくらりと躱《カワ》せる。


「ミエリアさま・・・貴族のあなたを状況や証言だけで拘束をするほど我々は、劣っていません。認める気は、全くないのですね。」


「認めるもなにも・・・私は、〝なにも〟していないのだもの。」


  
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