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ソレは、そっと降り積もる・・・。
第36章 愛、故に。
自分を1度ならずも2度、3度と襲い来るこの目の前の男は、いったい彼女のなんなのだろうか。
「やっと、こっち側に興味が沸いたかい・・・〝黒髪の乙女〟。」
「私を〝黒髪の乙女〟と呼ばないで・・・。私は、黒髪の一般人です。」
「いいや、王さまが認めたのだから・・・お前は、〝黒髪の乙女〟なんだ。」
「そんな・・・・・・」
「お前は、それでジュリアス殿の婚約者に選ばれたのだ。その所為でミエリアは・・・・・・」
「あなたと彼女は・・・・・・どう言う・・・」
彼女の名前を口にする度に男の声音が変わるのが気に掛かる。
「ミエリアは、俺の妹だ。」
「〝妹〟・・・?」
「そうだ。妹が婚約者だったんだ。ソレをお前がっ!!」
「・・・・・・ッ、ぅう。」
男が胸ぐらを掴むときに拳が頬を掠めた。