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ソレは、そっと降り積もる・・・。
第36章  愛、故に。
  


「いやあぁっ!!」


 男が覆い被さり必要のある処だけを開《ハダ》けさせられる。男の身体を懸命に押さえてもなんの意味もなさない。


「(・・・ジュリアス、さんっ)」


 男の唇と手が身体を這い回る中で彼を思う。


 》》 *


「今さら・・・私を連れて行ってどうすると言うの。」


 車の中で自分が行けば状況が好転すると思っている男たちに声を掛けた。


「あなたのお兄さんの願いは、あなたの解放だ。それを見せるだけだ。」


「その間に兄が〝なにも〟しないと?本当にそんな人だとお思いですか?」


「もしも彼女に〝ナニか〟あれば命はないと理解しているハズ。」


「ふふ・・・甘いわね。兄はね・・・するわよ。交渉なんかする気だったら〝黒髪の乙女〟を連れ去ったりしないわ。立て籠もれば良かったのだもの。」


  
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