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ソレは、そっと降り積もる・・・。
第37章 身勝手な贖罪
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「それは、言われた通りに動くと言うことか?」
「この国の貴族は、そうやって長らく発展し続いてきました。歴史の授業は、お嫌いでしたの?」
「いいや。
俺は、ソレだけは嫌だった。だから自ら身を立てるためにこの職に就いたんだ。」
「女が内助の功を・・・なんて言っているこの国で私になにが出来たでしょう?初めての夫は、いい人でした。政略結婚さえ取って付けたような理由に感じるほどに。しかし夫の家が没落し実家に返されてみれば・・・私は、惨めな生き物でした。
〝次こそは、失敗しないで〟と言う無言の圧力にどう耐えればよかったのですか?ジュリアスさまとの婚姻が決まったとき私は、底辺から抜け出せる金の糸を掴んだと・・・思っていたのですよ。
ええ・・・自分で自分の人生を切り拓いたあなたからすれば滑稽でしょう。」