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ソレは、そっと降り積もる・・・。
第37章 身勝手な贖罪
すでに我が家は、軍の統治下にあった。両親は、小心者だ。震えている。
「ただいま、お父さまお母さま。」
「「ミエリアッ!!」」
「お兄さまが居なくなったと訊いたわ。」
「ええ、そうなの。あの子・・・どこへ行ったのかしら。」
「お母さま、これでいいのよ。」
「どう言うこと・・・?」
「お兄さまは、最後くらいは・・・と私たちに尽くしてくれようとしているのよ。」
「なにが尽くすだ!子も成せない男が!!
王さまに今度は、刃向かって!我が家は、終わりではないか!!」
「ええ、そうね。このまま終わってしまえばいいのよ。」
「ミエリアッ!!」
「おっと、お嬢さまに手を上げるのは見過ごせませんね。」
間に入ったのは、諍いの原因。
「ジュリアス殿。元はと言えばあなたが悪いのです!!」