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ソレは、そっと降り積もる・・・。
第37章 身勝手な贖罪
「あなた、お止めになって。」
「うるさい!!
あなたが悪いんだ!異国の女を連れて来て〝黒髪の乙女〟だと言い出した。王さまは、あなたを気に入っているからあなたの言うことを鵜呑みして受け入れてしまったんだ。
私たちは、どうなる。娘の嫁ぎ先の不始末でいまでは、没落寸前だ。
あなたと諍いを起こしたと知れたらもう・・・・・・終わりだ。あなたとあの女の所為だ。」
「言いたいことは、判りました。息子さんは、いま・・・どこですか?」
「知らん。」
「知っていて隠すと為になりませんよ。」
「今さら・・・でしょう。どうせ・・・息子が戻っても戻らなくとも私たちは、終わりだ。」
「お父さま・・・みんなで終わりましょう。お兄さまがきっとあの女を始末してくれるわ。」
もう自分たち家族には、堕ち行く以外に道は、ない。