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ソレは、そっと降り積もる・・・。
第38章 残酷な仕打ち
「支度をしろ!」
「どう、して・・・ですか?」
「追っ手が近い。さあ、もたもたするな。」
ベッドに服が投げ付けられた。
「早くしろ。」
「は、い・・・・・・」
痛む身体を我慢しながら言われるままに投げ付けられた着替えを身に着ける。男が苛立っているのであながち追っ手が近いのは、嘘ではないようだ。
「ほら、行くぞ。」
腕を引かれ建物を後にした。外は、少し小雨が降っていた。
》》 *
「雨で泥濘《ヌカル》んでいる。気を付けて進め。」
「「はい、隊長。」」
「ミエリア。あなたは、戻られた方がいい。」
隊になぜか付いてきた彼女に声を掛ける。2人の居場所は、すぐに推察できた。
ミエリアの家が没落寸前になる前に所有していた別荘。
そして出発と共に彼女が付いて来ていた。