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ソレは、そっと降り積もる・・・。
第38章 残酷な仕打ち
「いや、です・・・」
「ミエリア。ここから先は、もっと険しくなるんですよ。危険ですから、下で待っていて下さい。」
「お義兄さまを放っては、置けないわ。
(いざとなったら〝黒髪の乙女〟を道連れにしてやる。)」
注意さえも訊き入れられない。
「みんな、ミエリア殿にケガがないように気を配れ!」
「「はいっ、隊長!!」」
小雨の泥濘んだ足場の悪い中親衛隊員たちは、王さまの命もあり〝黒髪の乙女〟の行方を追っていた。
《《 *
「おい、早く来い!」
ズンズンと先へと進む男に付いてきたが足が限界だった。それでなくとも昨夜の出来事で上手く身体を動かせないというのに。
「もう、歩けません・・・」
「もう少しだ。」
グイッと腕を引かれてフラフラッと足を出す。