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ソレは、そっと降り積もる・・・。
第38章 残酷な仕打ち
「・・・どこへ?」
森の緑は、どんどん濃くなっていく。気が付くと近くで水の音がする。
「さあ、〝黒髪の乙女〟。お前が本当に存在するのなら、この国を汚そうとする俺を排除出来るか!!」
「ここは・・・・・・ドコ?」
男に腕を引きずられるようにして歩き少し拓けた所に出た。そこには、滝があった。
「さあ、〝黒髪の乙女〟・・・居るなら出て来い!」
男は、なぜか叫んでいる。気でもふれたのだろうか。
「どう、したんですか・・・」
「珱月。お前を王さまが〝黒髪の乙女〟と認めたのだから、能力があるに違いない。ジュリアスが死ぬのは、嫌だろう?」
「なに、を・・・言っているんですか?」
男の言葉が全く理解できない。
「お義兄さま!!」
「?!!」
男の狂気に怯えていると訊き覚えのある声がして振り返った。