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ソレは、そっと降り積もる・・・。
第39章 ソレは、〝黒髪の乙女〟・・・ 前
「やめろっ!」
「どうか、お許しを。この国を、害そうとする者を放ってはおくことなど出来ません。」
「うわっ!」
崖の方へと身体を傾ける。
「〝黒髪の乙女〟っ!!」
ジュリアスは、止めようと叫びながら1歩踏み出した。
「や、やめ・・・・・・っ」
男は、片足が崖から落ちそうになり声を上げる。
「あなたの思い通りには、させないわ。」
力を込めて男の身体を崖側に押した。
「うっ、わあああっ!!!」
男は、間抜けな叫び声を上げて彼女の身体と一緒に落ちていった。
「珱月っっ!!!」
遠ざかる意識の中で彼女の名前を叫ぶ彼の声が耳に残った。
》》 *
『目が覚めたかい?』
『・・・ここ、は・・・・・・?』
『ここは、ランデルージュ。君は、難破船から助けられたんだ。』