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ソレは、そっと降り積もる・・・。
第6章 〝愛〟を知らない
「(え、〝恋〟を知らない?あんなに経験豊富そうにしているのに??)」
彼と執事の会話は、訊いてはイケない気がした。
「全く・・・厄介だな。」
「(〝厄介〟・・・?私になんか〝恋〟したくなかったってこと?)」
胸に冷たい風が吹き抜けた気がした。
「ご安心を、ジュリアスさま。いつでもお手伝い致します。」
「ロイ・・・・・・。」
「(ロイ、さん・・・?)」
執事の言葉に少し引っかかりを感じながらも信頼できる人の言葉にホッとする。
「珱月さま?」
「ああ、マリー。」
戻ってきたメイドの声で中に戻ってガラス戸を閉めた。
「どうか、しましたか?」
「いいえ。
(苦しい・・・〝恋〟を、してくれたのに・・・・・・〝私じゃ嫌〟だなんて。。。)」
返事をしてベッドに座る。胸が痛む。