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チカちゃん先生のご褒美
第3章 チカちゃんと模試と判定
「山田先生、その偏差値別学校リスト、去年のですよ」
「えっ!?……あ!!」
チカちゃんは指摘されたファイルの表紙をひっくり返して、慌てた。
ヒョロ男は、鈴木太郎と言う。進路対策委員かなんかだ。
「すみませんっ、間違えましたっ!!」
「良かった、気がついて」
「なーなー」
扉のとこまでとことことファイルを交換しに行ったチカちゃんを見ながら、野際が言った。
「鈴木太郎って、すげー名前じゃね?イチローならともかく、なんかの記入例みたいじゃね?」
「確かにパッとしねーよな。化学担当とか、地味だし」
鈴木太郎は見た目若く見えるが、ミヤジーと年はあんまり変わらない筈だ。少なくとも、三十過ぎ。
なのに、校内では大抵白衣を来ているせいか、制服マジックという奴で、女子に変な人気が有る。
「……さっ、正しい資料が来たよ!計画と進路を、もう一度検討しよう!!」
チカちゃんに張り切られて、俺らは更に机に沈んだ。