この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
チカちゃん先生のご褒美
第3章 チカちゃんと模試と判定
*
「うん。大体、決まったね……」
チカちゃんがそう言ってふーっと息を吐いた時には、窓の外はすっかり真っ暗になっていた。
「次の模試で実力を見るよ!!頑張ってC判定以上が出てくれたら、先生嬉しいなあ」
C……見たことねーよ、C……。
AやBなんか、論外だ……。
「チカちゃん……俺無理だ、やる気でねー……」
「えっ」
「ほんっと、やる気でねーよな……」
「えっ、えっ」
俺らがぐったりしていたら、チカちゃんが励ましてくれた。
「大丈夫だよ、二人とも!今回、興味のある学校の中でも、得意科目や伸びそうな科目で受験できるとこを厳選したから!!」
「ご褒美……」
一生懸命話すチカちゃんに、野際がぼーっと呟いた。
「えっ」
「チカちゃんと違って今時の若者がやる気出すためには、ご褒美が必要なんだよー……」
分かってる。ご褒美が無いと、頑張れません──なんて。
俺らは、甘えてる。