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チカちゃん先生のご褒美
第3章 チカちゃんと模試と判定

 でも。
 やっても駄目かもしれないんだぞ?
 やっても駄目なら、やらなくったって良いじゃん……と、すぐに思考が転落するのは、仕方なくないか。
 それを持ち上げるのには、何かご褒美が必要なんだよ。

 ちーん、とお終いの音がしそうに落ち込んでたら、扉の方を睨むように真っ直ぐ見ていたチカちゃんが、力強く頷いた。

「……分かった。」
「え?」
「ご褒美。一昨日言ってた、……触らせてあげるっていうので、良い?」
「ほんとっ?!」
「……それでやる気になってくれるなら……先生、一肌脱ぐ!!頑張るよ!!」
「うっわーい!!」

 俺らが机からがばっと起きて喜んでたら、チカちゃんがてきぱきと条件をまとめ始めた。

「じゃあ、次かその次の模試で一個でもC……じゃすぐ達成できそうだから、B判定出たら、触らせてあげる。ただし、そのために志望校のランクを落とすのは、駄目よ?今日決めたところを、ちゃんと書くこと!!」
「やったー!!ありがとう、頑張るよーっ!!」

 次の模試は一週間後くらい、結果が出るのは、十日後くらいだ。
 俺と野際は、顔を見合わせて頷き合った。もしどっちかB判定が取れなかったら、負け犬気分を味わうんだろう……。
 絶対、嫌だ。
 俺は、今日から死ぬ気で頑張ることを誓った。
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