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チカちゃん先生のご褒美
第5章 チカちゃんの手は滑り止めの手
  *

「もうっ……!」
「ごめんごめん……」
「ジャージ有ったなら、良いじゃん」


 俺達が、放出し終わると。
 チカちゃんはバッグの中からタオルを出して、自分の顔とブラウスを、ざっとぬぐった。それから、「さっき渡したので、拭いときなさいっ!!」ってぷんぷんしながら、どこかに消えた。
 次に現れたときはブラウスは着替えてたから、更衣室でシャワーでもしたんだろう。
 着替えて来たのは、ちょっとぶかっとしたジャージ。予備なのかな。彼シャツみたいで、これも可愛い。


「チカせんせー。次はいよいよ本番ですけど」

 俺達が片付けた机に向かって座るチカちゃんに、野際が声を掛ける。

「ほっ、本番っ……?」

 動揺するチカちゃん。

「先生、何考えてんですかー?」
「本番だよ本番、入試のなー?」
「ほっ……本命って言いなさいよっ!!」

 ナニを想像したのか、チカちゃんは真っ赤になった。

「僕達頑張ってるんでー、本命のご褒美も、ほしーんですけどー」
「うっ」
「本命は出来れば本番が……なーんてねっ」

 チカちゃんが居ない間に二人で相談した事を、言ってみる。
 何だって、言うだけなら、タダだ。言って却下されても失う物は何も無いけど、言わなかったら言ったらオッケーだったかもという悔いが残る。

「……ほっ……本番っ、はっ……」

 そんなエロポジティブな俺らに向かって、チカちゃんは、口を開いた。
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