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チカちゃん先生のご褒美
第5章 チカちゃんの手は滑り止めの手

「……本番は、駄目っ……!」
「えー、ソッコーで却下ー?モチベーション下がるうー」
「そっかー、頑張っても、ダメなのかー」

 俺らがわざとらしく言うと、チカちゃんは蚊の鳴く様な声で呟いた。


「だってっ……したことないのにっ……」


「えっ?」
「ほんと!?」

 チカちゃんは涙目で唇を噛んで、俯いた。
 またまた返事は無いけど、もう、これが返事だろ。
 うわー……やっぱり、処女だったか……。自分の生徒より奥手なんじゃねぇの、チカちゃん。

 初めてなら、仕事で生徒へのご褒美にしちゃうなんて、イヤだよなー。
 俺らもそこまでキチクではない。
 潔く、諦めよう。

「じゃあさー、口はっ?」

 俺が色々考えてたら、野際がさっさとすげー事を言った。
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