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チカちゃん先生のご褒美
第8章 知佳先生の奮闘

   *

 触らせてみたら?って言われた、翌々日。

 放課後、二人と面談が有った。
 この前渡した計画表とかを書いてきたかの確認と、志望校の見直し。
 面談の前に、太郎さ……じゃなくて鈴木先生に、計画と目標の立て方についてアドバイスを貰った。緊張して面談場所に向かったら、資料を間違えてたんだけど、私は間違いに気付いてなくて、鈴木先生が持って来てくれた。

「緊張し過ぎ。大丈夫?」
「……はいぃ……」
「大丈夫そうじゃ無いなあ……また時々覗きに来る」

 正しい資料と取り替えながら、頑張って、って小声で言われて、席にもどった。
 頑張って計画を立て終えて、ほっとしてたら……

「やる気出ねー……」

「ご褒美が必要なんだよー……」

 ……言われてしまった。
 ご褒美話、本当になっちゃった……!

『……勉強すんの無理!とか言ってても、成績上がったら本当に触らせてあげようかー?ってちらつかせたら、やる気出すよ。男子なんて、そんなもんだろ』

 二人のことを相談したとき、ビーフシチュー食べながら太郎さんにそう言われて、ちらつかせるってどうやるの?!って思ったけど。
 ちらつかせるまでも無かったよ、太郎さん!……どうしよう!!

 困って扉の方を見たら、なんと。
 太郎さんが居て、頑張れ!って、親指を立ててた。

 ……うん。頑張るっ!!

「分かった!…………それでやる気になってくれるなら、先生、一肌脱ぐ!!頑張るよ!!」

 扉越しの太郎さんに励まされながら、二人の生徒に、そう頷いた。
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