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チカちゃん先生のご褒美
第8章 知佳先生の奮闘
  *

「お祝いの言葉、ありがとうございます!お願いします、お祝いついでに私の処女を、貰ってください!」

 卒業式の後の、化学準備室。
 思い切って言った私に、鳩が豆鉄砲を食らったみたいな顔をした鈴木先生は、次の瞬間、困った様に苦笑した。

「……『卒業おめでとう』って言って、そんな事返されるとは、思わなかったなー……ま、座って、落ち着いて?」
「……私、落ちついてます!本気です!!」

 座る気になんて、なれない。
 お茶を淹れ始めた先生に、立ったまま、大声にならない様に気をつけながら、言う。

「お願いしますっ。先生が良いんです。先生のっ……で、私の処女膜たくさん突いて、いっぱい破って、イカせて下さいっ!」

「……山田知佳さん?」
「なんですか……っ」
「君……勘違いしてない?」

 思い切って言ったのに、先生の口から出たのは、そんな言葉と溜め息だった。
 
(やっぱり、私じゃ、駄目なんだ……)

 最初に三年生をここで見た日から。
 私は何度か、ここでそういう事が行われているのに、遭遇している。
 あんなにあからさまに見たのは一回だけだけど、声だけとかは、何回か聞いている。
 「不在」って書いてあっても、一応そーっと扉が開くかを確認する様になったから。そんな事、他の人はしないみたいで、先生によると「見られるなんてヘマいことになったのは、君だけだよー」らしい。
 でも、そういう事になるのがどんな人とで、どんな条件の時なのか、私には全然分からなかった。準備室で二人きりになる事も有ったけど、誘われたり、そんな雰囲気になったりする事は、一度も無かったから。
 だから、思い切って、自分から言ったのに。

「……あのさ。」

 そう思って唇を噛んで俯いてたら、思いも寄らない事を、告げられた。
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