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チカちゃん先生のご褒美
第8章 知佳先生の奮闘

「処女膜は、膜じゃないから。」
「………………へっ?!」

 なにそれ。
 君を女として見れないとか、
 君にはムラムラしないとか、
 君に色気を感じないとか。
 そういうのなら、予想してたんだけど……。

「あのさー。破って欲しい様な膜なんだったら、塞がってるって事だよね?」
「はあ……」
「本当にそんなんだったら、どうして、生理の時に子宮から血が出て来るの」
「あ……」

 言われるまで、考えたことも無かった。
 膜って名前なんだから、膜だって思ってた。 

「……残念だけど、そんな何にも知らない子に、何かする気にはなれないなあ。自分のカラダのお勉強して、何年かしたら、出直しといで。」

 真顔で、そう言われたのだった。


   *


「知佳の処女は、俺の為に取って有るんだろ?」

 放り投げたブラやブラウスを拾ってくれながら、太郎さんが言う。

「……俺に、一目惚れした時から。」
「一目惚れじゃないからっ!」

 一目惚れなんて、してない。
 最初は、びっくりしただけだった。
 驚いたし、そんな風に触れて貰える先輩が、羨ましかったけど……好きとかは、全然無かった。

「そのあとは……『体の勉強ちゃんとしました!!五年経ったら、貰ってください!』……だっけ?」
「う……」

 くすくす笑われて、体中熱くなった。
 「五年経ったら」って言ったのは、成人式の同窓会の時だった。先生方を呼んで学年全体で大々的にやった宴会で、先生に勢いで言っちゃったんだった。
 そろそろ、五年。約束の年だ。

「……五年経つね?」

 耳元で囁かれて、キスを落とされる。
 太郎さんも、思い出してたらしい。

「俺ので『処女膜たくさん突いて、いっぱい破って、イカせて欲しい』……だっけ?」
「意地悪っ!間違いだって、もう知ってるもんっ……」

 膨れて見上げると、唇にキスされた。

「今回のご褒美が上手く行ったら、知佳にもご褒美……かな」
「……うん……頑張る……」

 そう言って、もう一回。
 今度は、私からキスをした。
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