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チカちゃん先生のご褒美
第8章 知佳先生の奮闘

   *

「たろぉさぁん……」
「お疲れ様、知佳」

 触らせてあげるご褒美の次は、触ってあげるご褒美。
 二人はすごく頑張ってくれて、どこか一校でも合格!……っていう目標を達成してくれた。
 他の先生方もすごく喜んで、太郎さんも喜んで、私も、もちろん嬉しかった……でも。
 他の先生方みたいには、素直に喜べなかった。その目標も、達成したら、ご褒美をあげる約束だったから。

 そのあと、面談室で、まずは二人と次の話をしようと思ったんだけど、それよりもご褒美を早くって、ねだられて。
 先に、触ってあげる事になった。
 それも、なんとか終わらせたけど。 

「……太郎さん……かけられちゃった……」
「あー、やっぱりかー」

 私は、あの子達にそんなことされるなんて、思わなかったんだけど。
 太郎さんが「きっとぶっかけられるぞ」って言って、それも練習させられた。
 こうなってみると、練習しておいて、良かったよ……びっくりしたりしないで済んだから。

「化粧、落ちても大丈夫?」
「うん……」

 太郎さんに言われてたから、簡単な化粧品は、持って来た。もう夕方だから、朝みたいなフルメイクじゃなくても良いもんね。

「じゃ、行くか」
「え、どこ?」

 太郎さんが机の引き出しから鍵を出して、じゃらっと握った。

「職員用更衣室。そのままじゃ着替えても気持ち悪いだろ?シャワー室で、洗ってあげるよ……おいで、知佳。」

 太郎さんは鍵と紙袋を持って立ち上がって、にっこり笑った。
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