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チカちゃん先生のご褒美
第8章 知佳先生の奮闘
シャワー室は、狭い。二人で入ることなんか考えられてないから当たり前だけど、入って扉を閉めただけで、体同士が触っちゃう。
「背中見せて」
「ん」
向かい合わせになんか、恥ずかしくてなれない。
太郎さんは私の髪を見て、持っていたタオルを濡らして拭うと、耳も丁寧に拭ってくれた。それだけで、気持ち良い。
「……顔は、後で自分で洗った方が落ちるな……髪はすぐ乾かないから、あとは夜にね」
「うん……あ……」
そのまま、背中にシャワーをかけながら、を手のひらで撫で始めた。
「たろぉ、さん?」
「何?」
「せなか……ついてないよね……?」
ブラウスを着ていたし、背中は最後は扉にほとんど寄りかかっていたから、掛けられたのは、ついてないはずだ。
「うん。ついてないよ?でも、念の為ね」
「ぁあんっ!!」
太郎さんは、さらっと言って、指を背筋につうっと滑らせた。
「知佳、声響くから、抑えて」
「ん、分かった……」
ふと、横を見た。壁に取り付けられている鏡に、私達が写ってる。
「たろぉ、さ……」
「何?」
鏡越しに、太郎さんのが見える。
体はそんなに日焼けしてないし、色黒な方じゃないんだけど、その部分だけが、赤黒く見える。なんだか太郎さんの一部じゃ無い、別の生き物みたいだ。
それが、なんとなく。
「……おっきく、なってる……?」
私は、湯気で曇り始めてよく見えなくなった鏡から、目を逸らせた。