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チカちゃん先生のご褒美
第9章 チカ先生の卒業
「チカちゃんは、俺らがやる気出す為に協力してくれたんだろ」
内川くんは抑えた声で、だけどはっきり、野際くんに言った。
「立場的にはダメかもだけど、どっちかって言うと俺らが無理矢理やらせた側だし」
「どっちとか関係ねぇよ!教師が生徒にあんな」
「しーっ。外に聞こえる」
声を荒げる野際くんに、内川くんが淡々と言う。
「それに、証拠あんの?」
「え」
「あれが俺らの妄想じゃなかったって証拠、有んのかよ」
「……そんなもん」
急に弱腰になった野際くんに、内川くんはふっと笑った。
「誰か見てた訳じゃ無い、有るのはお前の証言だけだ。目撃者も居なきゃ証拠も無いんじゃ、人一人クビにするには弱くないか?」
「っ」
「分かったら、離せ。先生と付き合いたいんなら、まずは告白でもしろよ」
「お前、馬鹿かっ?!こんなオバサンと付き合うとか有るかよ!」
野際くんは捨て台詞を残して私から離れると、さっさと部屋を出て行った。
「大丈夫?」
内川くんが手を貸して、起き上がるのを手伝ってくれた。
「うん。ありがと」
起き上がって、ブラとスカートをこそこそ直す。
「なんか、ごめん。」
私から目をそらした内川くんが、ぼそっと言った。
「どうして内川くんが謝るの?」
「……なんとなく?」
内川くんの口調がおかしかったのとほっとしたのとで、思わずくすっと笑ってしまった。
「……チカちゃん?」
「なあに?」
「この後、どうする?」
内川くんは困った様に眉を寄せながら微笑んだ。
「まだお開きまで時間有るけど、戻る?帰る?」
「そうだね……」
どうしようか、迷う。
戻ったら、野際くんと気まずそう。
けど、まだ皆と話せてない。せっかくの機会だから、出来れば全員と話したい。
「あのー?」
「あ」
迷っていたら、声が掛かって、戸が開いた。
「お客さん、どうしました?」
「すみません。ちょっと気分が悪くなって……すぐ出ます」
店員さんに頭を下げて、部屋を出る。さっき開けられなくて、良かった。
「やっぱり、戻る」
「そう?キツかったら言って」
「うん。内川くん、しっかりした人になったねー?」
「え?」
「大人になったって言うか」
「またそれ?二十歳過ぎたから、大人だし!……ただいまー」
座敷に戻ると、おかえりー!って、あちこちから声が上がった。
内川くんは抑えた声で、だけどはっきり、野際くんに言った。
「立場的にはダメかもだけど、どっちかって言うと俺らが無理矢理やらせた側だし」
「どっちとか関係ねぇよ!教師が生徒にあんな」
「しーっ。外に聞こえる」
声を荒げる野際くんに、内川くんが淡々と言う。
「それに、証拠あんの?」
「え」
「あれが俺らの妄想じゃなかったって証拠、有んのかよ」
「……そんなもん」
急に弱腰になった野際くんに、内川くんはふっと笑った。
「誰か見てた訳じゃ無い、有るのはお前の証言だけだ。目撃者も居なきゃ証拠も無いんじゃ、人一人クビにするには弱くないか?」
「っ」
「分かったら、離せ。先生と付き合いたいんなら、まずは告白でもしろよ」
「お前、馬鹿かっ?!こんなオバサンと付き合うとか有るかよ!」
野際くんは捨て台詞を残して私から離れると、さっさと部屋を出て行った。
「大丈夫?」
内川くんが手を貸して、起き上がるのを手伝ってくれた。
「うん。ありがと」
起き上がって、ブラとスカートをこそこそ直す。
「なんか、ごめん。」
私から目をそらした内川くんが、ぼそっと言った。
「どうして内川くんが謝るの?」
「……なんとなく?」
内川くんの口調がおかしかったのとほっとしたのとで、思わずくすっと笑ってしまった。
「……チカちゃん?」
「なあに?」
「この後、どうする?」
内川くんは困った様に眉を寄せながら微笑んだ。
「まだお開きまで時間有るけど、戻る?帰る?」
「そうだね……」
どうしようか、迷う。
戻ったら、野際くんと気まずそう。
けど、まだ皆と話せてない。せっかくの機会だから、出来れば全員と話したい。
「あのー?」
「あ」
迷っていたら、声が掛かって、戸が開いた。
「お客さん、どうしました?」
「すみません。ちょっと気分が悪くなって……すぐ出ます」
店員さんに頭を下げて、部屋を出る。さっき開けられなくて、良かった。
「やっぱり、戻る」
「そう?キツかったら言って」
「うん。内川くん、しっかりした人になったねー?」
「え?」
「大人になったって言うか」
「またそれ?二十歳過ぎたから、大人だし!……ただいまー」
座敷に戻ると、おかえりー!って、あちこちから声が上がった。