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第4章 真実と嘘

清良が細い体を捩り、郁未から逃げ出す。
「嘘だ！嘘だ！そんなこと信じない！
母さんが復讐のためにあたしを盗んだなんて！
そんなこと、絶対信じない！」
悲痛な叫び声が、胸に痛い。
「清良…落ち着いて…」
郁未が歩み寄ろうとすると清良は壁際に走り込み、きっぱりと拒んだ。
「来ないで！出て行って！
何も…何も聞きたくない！」
そのまま座り込み、耳を塞ぐ。
「…清良…」
「出て行ってよ！出て行って！」

…そのあとは、清良の子どもに戻ったような慟哭が響き渡るだけであった…。