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僕の美しいひと
第4章 真実と嘘
「お梅婆ちゃん…!生きてたんだね⁈」
小柄な老婆は皺だらけの貌をくしゃりと歪め、泣き笑いした。
「ああ…なんとか生きていたよ。…清良ちゃん…!
まあまあ…なんて綺麗になって…!まるでお姫様みたいじゃないか…!」
二人は手に手を取り、再会を喜んだ。

郁未が穏やかな微笑みを湛えながら口を開く。
「…梅さんは、君が小さな時に隣の長屋に住んでいらしたお婆さんだね?」
「うん、そう。母さんが仕事に行っている時にあたしの世話をしてくれたりしてたの。
…でも、その長屋を立退かなきゃならなくなって、お梅婆ちゃんとは離れ離れになっちゃったんだ。
…下町は空襲が酷かったから…婆ちゃん、生きてるかどうか…心配してたんだよ…!」
嬉し涙を流す清良に、郁未は口を開いた。
「僕は君の幼少期を知る関係者を探していた。
そうして梅さんに行き当たった。
梅さんが清良の赤ん坊の頃の話を…君が高遠家から攫われて来た事実をご存知ないかと思って訪ねたんだ。
…そうしたら、梅さんは菊乃さんから当時のいきさつを聞いておられたそうだよ」
「え⁈母さんから⁈」
驚きのあまり息を呑む。

梅は頷いた。
そして、皺が深く刻まれた眼をしっかりと見開いて清良を見つめた。
清良の手を皺だらけの小さな手がしっかりと包み込む。
「…清良ちゃん、よくお聞き。
あんたの母さん…菊乃ちゃんの本当の気持ちを…」
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