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僕の美しいひと
第6章 すれ違う想い
「…で?どうするんだ?」
院長室の机の上に置かれたままの招待状を見遣り、鬼塚は尋ねた。
「断るよ。
清良はここと決別したんだ。
僕が行ったら台無しになる」
淡々と山積みの資料を処理しながら答える郁未に、鬼塚は眉を顰めた。
「お前は嵯峨公爵家の子息だ。
お前の母親と高遠夫人は旧知の仲だし、出席しても何ら不自然ではないと思うがね」
「…だけど…」
躊躇する郁未の前に、どかりと座り貌を覗き込む。
「行ってやれ。清良は誰よりもお前に今の姿を見てもらいたいと思っている筈だ。
…それに…」
眼鏡越しの鬼塚の瞳が、優しく細められた。
「…お前も清良に会いたいんじゃないか…?」
「…鬼塚くん…」
鬼塚の唇が柔らかく微笑み、郁未の髪をくしゃりと掻き回した。
「…会いに行け。自分の心に素直になれ」
院長室の机の上に置かれたままの招待状を見遣り、鬼塚は尋ねた。
「断るよ。
清良はここと決別したんだ。
僕が行ったら台無しになる」
淡々と山積みの資料を処理しながら答える郁未に、鬼塚は眉を顰めた。
「お前は嵯峨公爵家の子息だ。
お前の母親と高遠夫人は旧知の仲だし、出席しても何ら不自然ではないと思うがね」
「…だけど…」
躊躇する郁未の前に、どかりと座り貌を覗き込む。
「行ってやれ。清良は誰よりもお前に今の姿を見てもらいたいと思っている筈だ。
…それに…」
眼鏡越しの鬼塚の瞳が、優しく細められた。
「…お前も清良に会いたいんじゃないか…?」
「…鬼塚くん…」
鬼塚の唇が柔らかく微笑み、郁未の髪をくしゃりと掻き回した。
「…会いに行け。自分の心に素直になれ」