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僕の美しいひと
第6章 すれ違う想い
苦しげに清良から眼を逸らす。
「…ああ。君は僕の大切な生徒だけれど、それだけだ。
恋愛の対象にはならない」

…そんなことはない。
鬼塚に恋して以来、初めて心が動いたのは清良だ。
…その生き生きとして透明な…飾り気のない美しさと魅力に満ち溢れた彼女に気がつけば心を奪われていた。

…けれど…。
彼女に愛を告げる訳にはいかない。
自分と結ばれるということは、清良の過去が明らかになってしまう危険を孕んでいるからだ。

「…清良。君は若くて美しい。
僕よりもっと相応しい素晴らしい青年がいるはずだ」
向かい合い、静かに諭す。

清良の意思的な眉が切なげに寄せられ、首が振られた。
そのまま郁未の胸に必死にしがみつく。
「清良…!」
離されまいと尚も縋り付き、郁未を見上げる。
「嫌…!あたし…やっぱり嵯峨先生が好き!
…高遠のお父様もお母様もとても優しくて…幸せだよ。
お父様もお母様も大好きだよ。
何不自由なく何でも与えてもらえている…。
…でも…あたしが欲しいものは別にあるの。
…嵯峨先生、貴方よ。
あたしは、先生が好きなの。大好きなの」
「清良…やめなさい…」

清良の柔らかな身体が押し付けられる。
「嫌…!好き…嵯峨先生が好き…!」
叫ぶように言い放つと、郁未の首筋に清良の白い手が絡む。
次の瞬間、思わぬ強い力で引き寄せられ…郁未の唇に清良の唇が押し付けられた。

「…きよ…ら…」
…震える柔らかな唇…。
甘い吐息…。
…清良の華奢な身体も震えていた。
掴んだ肩は、とても熱かった。

少女の一途な熱に触れた瞬間、郁未の手に力が篭る。
抗い難い熱の塊が郁未をも支配する。

…清良の肩を引き寄せ、片手でその形の良い顎を掴んだ。
震える可憐な唇を荒々しく押し開き、熱い口づけを与える。
…同時に、貪欲に清良の唇を貪る。
「…んっ…あ…せん…せ…」
狂おしいまでに…情熱的に舌を絡める。
清良がぎこちなく…しかし熱情的にその口づけに応える。
少女の身体を揉みしだくように抱き竦める。
唇を離し、睫毛の触れ合う距離で熱く見つめる。
「…清良…!僕は…」

…次の言葉を告げる刹那…

厩舎の入り口から、朗らかな…しかし、どこか研ぎ澄まされた声が響いた。
「…清良さん、ここにいらしたのですか。
お探しいたしましたよ」

二人は一斉に振り返った。
…逆光を背に、長躯の男が佇んでいた。




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