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劣情ストーリーテラー
第55章 既読文化
情報社会の発展に伴い人類の行動様式は近年大変革の途上にあるのではないだろうか
インターネットの普及による情報流通量の圧倒的な増加とアクセシビリティの向上
コミュニケーションが包含する意味のボリュームは幾何学的に増殖していく一方である
デジタルネイティブと言われる世代は当たり前としての事前情報で何事も選別していくことで高効率なライフスタイルを構築していく、いわばハイ・マネージャブルな種族なのではないだろうか
友人・知人・家族・企業・インフルエンサー、様々なチャネルからプッシュされる情報は一度目にしてしまえばそれはもう「既読」であり、自らのタイムラインのアセットとしてストアされる
あとは必要に応じて検索すれば意中の情報に苦も無く辿り着くことができる
準備も想像も必要のないリニアでニヒルなリアクション芸の支配する世界
それを「既読文化」と仮に規定することとしよう