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劣情ストーリーテラー
第55章 既読文化


「あー、この人もイマイチかなー」



どう、見つからない?



「うん、なかなかいないもんだね、自分好みのセックスする人って」



むつかしいわよね



「好みのタイプで検索しても、もうほとんど既読だわ」



検索範囲を広げるしかないか



「そうなるかなー、でも、あんまり妥協したくないんだよなー」



まあ、セックスの相手だものね



※最近人気を博しているこのサイトはセックスのベンチマークを映像・スコア・クチコミでアプロードし、セックスマッチングの最適解として話題となりつつある



※男性は登録制。厳格な審査のもと確実に実在する人物が実際にセックスをする動画で確認できるため女性からの信頼を集めるようになってきている



「この人もよさそうだったんだけどなー、なんか物足りないんだよなー」



贅沢は言わない方がいいんじゃない?



「分かってるんだけどさー」



自分との相性はやってみないとわからないし



「そうなんだけどね」



それにしても、このサイト、よく運営できるわよね



「それな、ていうかさ、この男を品評してる女の人、いつも同じ人だよね」



うん、まあ、女が変われば男を評価する基準がブレるからじゃない?



「登録男性500人を超えてるんだよ?全員とやってるわけじゃん?」



まあ、その女の人がベンチマークになるんだろうから



「どんな人なんだろうね」



さあねえ、顔はマスクで分からないけど口元は割と美人系?



「プロポーションも言ってみりゃ人並みだし、オトコ食い散らかしてるようなキャラには見えないっていうか」



でも、このサイトで500人はやってるわけだから、経験値でいえば相当よね



「そこなんだよなー、やっぱ数を経験しないと善し悪しって分からないのかなー」



それを経験する前に自分に合ったものが選べるのがこういうサイトの売りなわけでしょ



「あってるかどうかの保証はしませんってことだけどね」



それはそうよ、科学の実験じゃないんだから



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