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劣情ストーリーテラー
第58章 ヤってしまえばこっちのもの

どうしても、諦めないって言うんですね?



「はい」



どうしたもんですかね



「だって、いま、付き合ってる人いないんでしょう?」



たしかに、いませんが



「ゲイでもないんでしょう?」



ストレートです



「だったら、私と付き合うくらい…」



どうして、僕なのか、それが全然わからないんですよ



「私は、あなたのことが…」



まあまあ、待ってください、客観的に考えて、僕がそこまで思われる理由がないんじゃないかと思うんです、はっきり言って見た目はショボいし



「そんな理由では」



そう、何が理由なのか、何が目的なのか?って思っちゃいます



「目的だなんて」



実際、僕にはコネがあって、そのおかげで今はカネまわりがいいですし、一般的な勤め人の生活よりはかなり恵まれた将来が予想できますから、それを目当てに言い寄ってきた人はたくさんいるんです



「そんなのが目的なら、ここまで言いません」



たしかに、あなたは器量がいいから探さなくても待ってれば相手の方から来るのでしょうし、言ってみれば選り取りみどりなはずです、それでも僕に向かってきたのは、なにか理由があるとは思うんですけど



「わ、わたしは、あなたが、ほしい」



僕がほしい?



「そう、ほしいの」



それはどういう意味です?



「え」



所有したいってことです?僕のことが自由になれば僕にまつわることもすべて自由にできるとか、そういう意味です?



「違います」



じゃあ、男性としてほしいってことですか?



「そ、そうです、それです」



つまり性的に求めてるってことでいいんですか?



「そうですそうです」



やりたいってことですか?


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