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ガーネット弐番館
第11章 令和婚
一瞬だけど、珍しく航平が声を出して笑った。

「笑ってる」

っていうか、こんな笑えたんだ。

声を出して笑っているのをはじめて見たかも。

にやりって笑うだけかと思ってた。

「あ、やべ」

気付いたのか慌てて一瞬で笑い声を収めている。

「なんで?別に声出てもよくない?」

「あー。笑い声が、キモイらしくてさ」

あ、そうか。

確かに。
一瞬だったけど、ちょっと変な笑い方だった。

でもキモい程ではなかったような。

「え、も一回笑ってみて」

「そんな急に無理」

真顔で首を小さく横に振っている。

せっかく笑ってたのに。

声はともかく、その笑い顔は可愛かった。

いつもクールなカンジで表情があまり変わらないからか、くしゃっとなった顔が凄く珍しい。

「えー」

まあ、いい。
そのうち、これでもかと言うほど笑わせてやろう。

これから、先は長いのだから。

ひとつ楽しみが増えて、なんだか睦美は楽しくなってきた。

「何笑ってんの」

「笑ってないよ」

「声出てたし」

「そんなことないない」

拗ねたような航平と軽く言い合っていると、レストランに到着した。

数日前に軽く下見に来たけど、明るい昼間に建物を見たのは初めてだ。

夜の雰囲気とはまた違って、新緑に囲まれてまるで別荘に来たみたいだ。

車から降りていると、スタッフさんが数名出てこられた。

「いらっしゃいませ。今日はよろしくお願い致します」

「こちらこそ、よろしくお願いします」

「じゃ、後で」

航平は急いでレストランの方へ消えていった。

笑ったことでやっと少し解れていた緊張が、ぐっと増して睦美を襲う。

「奥様はこちらへ」

案内されたのは、こじんまりとした隣の建物だ。
こちらはお店と違って、最近建てられたものだ。
普段はスタッフの休憩室と言っていた。

中に入ると、パーテーションでいくつか仕切ってあって。
壁際奥の睦美の席と思われる場所に、鏡やら化粧品やら置いてあって、その横にドレスもかかっていた。
その隣は航平のブースだろう。タキシードがかかっている。

手前に大きな会議用テーブルがあって、そこに持ってきたものたちをとりあえず置かせてもらった。

「カフェラテでも飲みますか?」

そう優しく声をかけてくれたのは、先月会った斎藤だ。
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