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ガーネット弐番館
第12章 Bridal night
「さ、片付けようぜ」

スタスタとアパートの部屋に戻る航平を慌てて追いかける。

さっきの2人には、沢山ある荷物を玄関先まで運んでもらっている。
ここから先には、航平と睦美で運ばなければ。  

「すげぇ量...」

改めて見ても、それは確かに凄い量なのだ。

今回、『披露宴』ではなく『食事会』にしたので、御祝儀や参加費などは、頂かないようにした。
レストランは、スタッフの1人のお祝いの席だというのと、お店の宣伝の為に協力するのを条件に格安にしてくれた。
確か、メイクさんやカメラマンさん、食事会用の飾り付けなどはお店持ち。
かかったのは、ドレスやタキシードのレンタル代とレストランのコース代だけだ。
なので、そうたいしてお金もかかってない。

なので、ご招待のお知らせをしたときに、身一つで来て欲しいことは伝えてあった。
それでは気が済まない田舎の親戚たちが、睦美が好きだからと、示し合わせてそれぞれお酒を差し入れてくれたのだ。

航平の母親と打ち合わせした時に、睦美がポロッとその予定を話してしまった。
すると、それは面白いと、航平の親族も乗っかって。

結果、このすごい量のお酒が集まった。
大小20本はあるだろう。
種類も、日本酒はもちろん、梅酒や泡盛もある。

「うわ。にごり酒。こっちは発泡酒だって!」

「んな見てないで、早く運んで」

キッチンに入らない量なので、とりあえず四畳半の部屋に運ぶ。

ここのところ頑張って片付けて、物置から部屋になりつつあったのに。
また物置になってしまった。

ま、仕方ない。
スグお酒は無くなるだろうしね。

お酒以外の荷物もいくつかあって、玄関と四畳半を2人で何往復もして、やっと片付いた。

「疲れた...」

よろよろとコタツに座る。
もう5月になって、電源を入れることは無いが、まだこたつ布団は仕舞えてない。
まだ少し夜は肌寒くて、布団がないと寂しいのだ。

「先にシャワー浴びないと寝てしまうぞ」

「そうだけど、疲れたんだもの...」

四畳半から航平がお酒を一本持って出てきた。

「これ、知ってる?」

「えー。知らない」

「めちゃ美味いマニアに有名な酒だよ」

目を輝かせ愛おしそうにラベルを撫でている。

そんなに?

「え、飲みたい!」

「じゃ、シャワー浴びておいで」

むー。 

重い腰をあげて、風呂場に向かった。
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