この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
ガーネット弐番館
第2章 ガーネット弐番館
...ですよね~。



返す言葉ない。


「あ、うん...。ごめん」


家に送ってもらう車の中で40分ほど、ずっと説明してた。

もっと簡潔に説明出来たらよかったのかもしれないけど。


「...」


「...??」


え?それだけ???

もっと「バカじゃないのか」とか「利用しやがって」とか。

...どんな言葉か分かんないけど。

そういう怒られ方しても仕方ないことだと思ったから。


「ん?」

ずっと前を見ていた航平が、この時はじめてこちらを向いてきた。

無表情、なんだけど、どちらかというと「で、それが何か?」みたいな。
そんなカンジだろうか。

咄嗟に視線を外す。

「あ、いや」


そっか。別に怒るほどのことでもないか。

なんだか拍子抜けだ。


「じゃあ...。送ってくれてありがとう。あ、夕食も。御馳走様でした」

シートベルトを外し、そそくさと車を降りる。


今井さんに出会ってから、地獄のような1時間ほどだった。

いや、その前の航平に出会ってからの3時間か。

一気に5歳ぐらい老け込んだ気がする。


そういえば、航平は何の為に睦美と食事する気になったんだろう。

遠い転勤先から、おそらく車でこっちに帰って来てまで。

その理由を聞いたハズなのに、なんだか誤魔化されたというか、はぐらかされた気がする。


そうよ。

今日は、文乃と食事の予定だった。

何故か航平が帰って来てて。

それで、ありえない事に今井さんと遭遇しちゃって。

それでそれで、変な事になっちゃって。



よろよろしながら階段を上りつつ、カバンから鍵を取り出す。

真ん中階段で、上下2戸。
睦美の部屋は201号室。

鍵を鍵穴に差し込もうとして、ドアについてる郵便受けに、何やらDMがいくつも挟まっているのに気づいた。

ぐいっと引き抜く時に、部屋や車の鍵がついた束をじゃらじゃらと床に落としてしまった。

はあ。

拾い上げるのも、メンドい。


「はい」

「あ、ありが...っ!えええっ!」

驚いて、せっかく航平が拾い上げてくれた鍵の束をまた落としてしまった。

「はぁ?何やってんだよ」

また拾い上げた航平は、そのまま玄関の鍵を見つけ出して、鍵穴に差し込んだ。

「え。なんでいの?え、いつから居たの」

「は?ずっと後ろ歩いてただろ」
/154ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ