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ガーネット弐番館
第2章 ガーネット弐番館
そう言いながら、そのまま鍵を回して開け、ドアノブに手をかけている。

「え、ちょっ。なんで?」

ドアの枠を掴んで、何とか侵入を阻止する。

「え?なんでって。宅飲み」

一升瓶を2本とおつまみが入った大きな袋を持って、そのままドアを開け玄関に上がろうとする。

そういえば言ったし、その後その荷物たちを買ったけど。

車の中でハナシは終わって、もう宅飲みは無くなったと思っていた。

いやいや、その前に。
一人暮らしの家に男性を呼ぶだなんて。
家主さんが、一番嫌がってるやつじゃん。
バレたら、追い出されるやつじゃん!

「何言ってんの。俺、婚約者だろ」


...そうだった。


いや、そうだけど、そうじゃないんだけど〜!

「ほー。婚約者を、追い返す訳だ」

殊更大きな声を出して、航平が辺りを見回す。

真ん中階段のこの場所は、音がめちゃくちゃ響く。
そろそろ寝静まるこの時間帯はとても静かで、下手したらアパート全部のお宅に聞こえてしまう。

「ちょっと。声が大きいっ」

「酷いなぁ。遠くから久しぶりに会いに来た婚約者に、こんな重い荷物を運ばせといてー。このまま夜中に帰れとか...」

「分かった!分かったから、静かにして!」

慌てて今度は押し込むようにして2人玄関になだれ込んだ。

「おじゃま...じゃなかった。ただいまー」

5歳どころか10歳ぐらい老けたわ。


こんな人だっけ。


って、それほど知らないだけかな。

さっきまであんな押し黙っていたのに、この変化は何なんだ。




短い廊下を通って、すぐ居間に辿りつく。

居間とつづきで台所がある。その先はー。


「あ、ちょっと待って。洗濯物が」

狭い廊下で航平を追い抜いて、居間に入る。

居間のすぐ隣が寝室にしている和室で。

まさか今日人が来るとは思ってなかったから、洗濯物を干しまくっている。

居間と寝室の境の"鴨居"に、フックを取り付けてあって。
そこにパラソルみたいに広がるやつをかけているし。

寝室には段違い平行棒みたいな、これまた洗濯物をかけるやつが広がっている。

もちろんどちらにも洗濯物ビッチリ。

慌てて、鴨居の洗濯物を寝室に押し込み。
襖を閉めた。

慌ててバタバタ片付ける睦美をヨソに、航平はゆったりと買ってきた物をカウンター並べている。
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