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ガーネット弐番館
第2章 ガーネット弐番館
流れるような作業で、お皿なんかも勝手に出してきておつまみを並べている。

まるで勝手知ったる自分の家、みたいに黙々と作業する航平が、何を考えているかサッパリ分からない。

少なくとも今のこの様子では、イヤラシイ目的は一切なさそうだ。

本当のホントに宅飲み目的っぽい。

今までだって、色っぽい雰囲気になったことなんて1回もナイわけで。

睦美は、「酒飲み友達」という枠なんだろう。



はぁ...。

それならそれで、別にいいか。

寂しいような、悔しいような。
それでいてホっとしたような。


部屋はいっぱいあるし。
コタツもあるし。

居間のコタツのスイッチを入れる。
そして、いつもなら節約してつけないエアコンもつけた。
お客様なのだから、仕方ない。

「こっちを熱燗な」

「...わかった」

買ってきたお酒の1本を熱燗に、ね。

いつもなら睦美が買わないタイプの高級純米酒だ。

もう一本は、常温が美味しいと言っていたっけ。

普段は使わない徳利と、セットのおちょこを探す。
友達の結婚式で貰ったカタログギフトで選んだやつ。
どこかにあるはず。

まさか、これをこのタイミングで使うことになるとは。

棚の奥から出すのを、航平が不思議そうに手伝う。

「何、使ってないの」

「うん。普段はマグで飲むから」

徳利もおちょこも洗うのが面倒なので、もっぱらマグカップで温めてそのまま飲む。

1人で飲むには十分だ。

「マグ!」

よっぽど衝撃だったのか、珍しく笑い出した。

「うるさいなー」

「まさか、コレ?」

洗いカゴに伏せてある、とあるキャラの可愛いマグカップ。

「...悪い?」

コーヒーもお茶も、全部そのマグですけど。
一人暮らしなんてそんなもんでしょ。

探し出した徳利たちを念のために一度洗う。

口の広い片口の徳利にお酒を入れて、レンジで温める。


台所がさほど広くないので仕方ないけど、航平との距離が近い。

そんな狭い中でも、さっきから睦美の動きに合わせて付いてきているような。

「...座ってていいけど」

「んー」

返事をしたと思ったのに、台所から動かない。

「何?」

「いや」

なんなの?

そうしているうちにレンジの音がして、熱燗が出来上がる。

「出来た」

「うー。やっと飲める」


そんなに飲みたかったの??
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