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ガーネット弐番館
第3章 熱
「当然」

はい??

思ってなかったナチュラルな答えに、理解が追いつかない。

焦って「そんなつもりなかった」って、誤魔化すかと思った。

しかもケロリと悪びれた様子は一切感じられない。

「で、それが何か?」
と、今日1日どこかで見たことある雰囲気だ。


...聞いた私が悪かった。

「で?どうすんの」

え?

「シャワー」

一瞬、2人のこれからの関係のことを聞かれてるとかと思った。

そんな自分が腹立たしい。

「...入る」

ベッドの回りに散らばっている中に、航平のシャツが身近にあって。
ちょっと躊躇ったが、それを身につける。

ほかの服や下着もかき集めて、風呂場へと急いだ。


何なんだ。ほんと。


まるで航平のほうが、この部屋の持ち主みたいに。

シャワー浴びてるし、タオル使ってるし。

あ、コタツで寝てもらおうと思っていたのに、あの様子だともうベッドで寝てるかもしれない。

まだ使ったことない、お客様用布団があったはず。
どこにしまったっけ?
押し入れの中か、4畳半の物置スペースの中か。

でもこの夜中に、探し出すのも面倒くさい。

けど、探すしかないかな。

たまにうたた寝することあるけど、コタツで寝るは嫌だ。



シャワーを浴び終えて風呂の折れ戸を開けると、航平が洗面台の前で歯を磨いていた。

バスタオルを取ろうと手を伸ばしたまま、ばっちり目が合って。
我に返って、慌てて戸を閉める。


...見られた。

さっきは、暗かったし。
きっとそんな余裕なかったら。

見栄で一応Bカップと言い張っている、この貧相な胸。

ため息が出る。

折れ戸が急に開いて、びくっとしていると。
取ろうと思ったバスタオルが当然のように手渡された。

「はい」

「...ありがと」

「風邪ひくぞ」

そう言い残して、去っていった。

相変わらず表情がなかったけど、何気にしてんだ、って言われてる気がした。

ですよね。

もう今さらデスヨネ。


あー、それにしても、なんなんだ。

ここ半年で作り上げた、一人暮らしのリズムが狂わされっぱなしだ。


寝巻きに着替えて、歯も磨いて、髪も乾かした。

もう寝たかなと、そろりそろりと部屋に戻る。


散乱していたコタツの上が綺麗に片付いている。

台所で航平が洗い物を済ませていた。

「あ、ごめんね」
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