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ガーネット弐番館
第4章 恋人っぽかったオトコ
ワインはほとんど飲まないと言っていたのに、かなり慣れた手つきで航平がワインを開ける。
「...上手だね」
「まあ。一応系列でイタリアンもあるし」
航平の勤めている会社は、数種類のレストランなどを全国に展開する大企業だ。
チェーン展開だが、少しリッチで一見チェーン店とは分からないお店が多い。
中でもイタリアンレストランは、「la corteーラコルテー」といって、最近はテレビなんかにも出てくる。
他にも、和食だったり、中華だったり。ホテル経営や、リゾート開発なんかも行っているグループ企業で。
航平は、それら各種レストランや、ホテル内のレストラン部門の『SV』だ。
ワイングラスなんてこの部屋にはなくて、仕方なくガラスコップに注ぐ。
ころんと丸みを帯びたこのコップも誰かの結婚式の引き出物な気がする。
「乾杯」「乾杯」
ワイン独特のにおいがなんだか懐かしい。
若い頃はワイン通とかになりたくて、それこそ安いチェーン店とかでもやたらとワインを飲んでいた気がする。
途中でなんか合わないと、日本酒へとシフトした。
一口飲んでみる。
...ああ。そうそう。こんなカンジ。
香りはいいのだが、おそらくこのワイン独特の渋みが口に残ってなんとも表現しづらい。
無言で顔を見合わせる。
確か4000円ぐらいしたし、そこそこ美味しいワインのハズ。
まあ、ハンバーグとの相性よね。
スーパーのポップに「お肉料理に合う」って書いてあったし。
示し合わせたわけではないが、2人ともハンバーグを口にする。
睦美にしては上手く出来ていて、形は悪くてもまあまあ美味しい。
それからワイン。
「...なんか」
「分かる!」
美味しいか美味しくないか、と言われたら、美味しいワインだ。
ぐらいのなんとも微妙なラインで。
はっきり言ってよく分からない。
やっぱり日本酒がいいなと、思ってしまった。
それは航平も同じらしい。
2人で顔を見合わせ、苦笑するしかない。
「昨日のやつにしようか」
立ち上がり、棚から昨日わずかに残った日本酒を取ってこようとしている。
「あ、私これでいいよ」
ワインもコップに注いだ分は飲まないと勿体ない。
残りは何か料理にでも...使えるのかな。
「そんなんじゃ足りないだろ」
「明日仕事だもん」
「...上手だね」
「まあ。一応系列でイタリアンもあるし」
航平の勤めている会社は、数種類のレストランなどを全国に展開する大企業だ。
チェーン展開だが、少しリッチで一見チェーン店とは分からないお店が多い。
中でもイタリアンレストランは、「la corteーラコルテー」といって、最近はテレビなんかにも出てくる。
他にも、和食だったり、中華だったり。ホテル経営や、リゾート開発なんかも行っているグループ企業で。
航平は、それら各種レストランや、ホテル内のレストラン部門の『SV』だ。
ワイングラスなんてこの部屋にはなくて、仕方なくガラスコップに注ぐ。
ころんと丸みを帯びたこのコップも誰かの結婚式の引き出物な気がする。
「乾杯」「乾杯」
ワイン独特のにおいがなんだか懐かしい。
若い頃はワイン通とかになりたくて、それこそ安いチェーン店とかでもやたらとワインを飲んでいた気がする。
途中でなんか合わないと、日本酒へとシフトした。
一口飲んでみる。
...ああ。そうそう。こんなカンジ。
香りはいいのだが、おそらくこのワイン独特の渋みが口に残ってなんとも表現しづらい。
無言で顔を見合わせる。
確か4000円ぐらいしたし、そこそこ美味しいワインのハズ。
まあ、ハンバーグとの相性よね。
スーパーのポップに「お肉料理に合う」って書いてあったし。
示し合わせたわけではないが、2人ともハンバーグを口にする。
睦美にしては上手く出来ていて、形は悪くてもまあまあ美味しい。
それからワイン。
「...なんか」
「分かる!」
美味しいか美味しくないか、と言われたら、美味しいワインだ。
ぐらいのなんとも微妙なラインで。
はっきり言ってよく分からない。
やっぱり日本酒がいいなと、思ってしまった。
それは航平も同じらしい。
2人で顔を見合わせ、苦笑するしかない。
「昨日のやつにしようか」
立ち上がり、棚から昨日わずかに残った日本酒を取ってこようとしている。
「あ、私これでいいよ」
ワインもコップに注いだ分は飲まないと勿体ない。
残りは何か料理にでも...使えるのかな。
「そんなんじゃ足りないだろ」
「明日仕事だもん」