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ガーネット弐番館
第4章 恋人っぽかったオトコ
ビックリして、口の中にあったブロッコリーを、ごくりと飲み込んだ。

ごく普通のことを言っただけといった航平は、ごく普通に食べ進めている。

「ん?」

ん?じゃなくて!

何だか、過敏に反応したら負けな気がして。
何事もなかったかのように、睦美も食べ続ける。

内心、バクバクだ。

別に、嫌じゃない。

昨日は、相当気持ちよかったし。

「1回寝たオトコ」が「2回寝たオトコ」になるぐらい。
別にどーってことない。

よね??


しかし、いつからそのつもりだったのだろう。

ハンバーグ食べながら?
スーパーで買い物してるとき?
昨日、ヤっちゃったときか。
まさか、...最初から??

航平は、大きな口で白米を食べている。
本当にピッチをあげて食べていて、もうすぐ食べ終えそう。

「ん、箸止まってる」
 
「うん...」

睦美もハンバーグを大きな口で食べた。


昨日は、勢いだけで行った。

今日は、そんな昨日とは明らかに違う。


今は考えまいと、睦美も白米の塊を口に入れた。






「遅っ」

洗面所の引き戸が空いて、先にお風呂を済ませていた航平が現れた。

洗面台の前で髪を乾かしていた睦美が、後ろから航平がに抱きしめられる。

っ!ちょ!!

まだ髪が乾きかけだしぼさぼさだし、何より、何?
このラブラブカップルみたいな!

「時間がないんじゃなかったのかよ」

少し拗ねたような囁きが、頭の上から降ってくる。

「もう、終わるから」

「昨日より時間がかかってんの、何で」

そんなつもりはなかったけど、色々考えてしまっていたかもしれない。

航平の唇が、耳から首元にかけてにそっと触れる。

「!ちょっ!」

明らかに色を帯びた瞳と、鏡越しに目が合う。

「それとも、ここでシたいとか?」

耳元でそう囁く激甘モードの航平に、睦美の体にぞくぞくしたものがはしる。 

「んっ...」

いつの間にか進んでいた航平の指が、腰のあたりの肌にゆっくり触れてゆく。

優しく艶めかしく触られて、全身が性感帯になった気分だ。

「ここ...じゃ、ダメだよ」

上に進もうとする指を追いかける。

「なんで?いいじゃん」

ダメとか言いつつ、体を少しよじって航平に顔を近づける。
今にも唇が触れそうだ。

互いの甘い息が顔を撫でる。
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