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ガーネット弐番館
第6章 ルール
立ち上がり本当に通帳を取ってこようとする航平の腕を掴んだ。

「ごめんごめん。見なくて大丈夫だから」

冗談かもしれないけど。

「生活費、3万も貰えたら大丈夫だから」

っていうか、無職の居候からそんなに貰えない。

今日までいくらか買って貰ったりもしてるし、3万もあれば光熱費には十分だ。

「...お金の管理って何でしてるの。PC?アプリ?見せて」

「え、ヤだよ!なんで見せないと」

きょろきょろと見渡す航平に、慌ててスマホを手に取る。

一応、ざくっと家計簿アプリでつけてはいる。

でも、細かく入力していたのは始めの頃だけで、今はもうざっくりしか入力していない。

そういえば、航平はそういったお店の収支とか売上UPとかを管理するような仕事についていたんだった。

こんなズボラなアプリ見せられない。

胸に抱え込んだスマホを航平が取ろうとしている。

「ちょっとだけ。チラっと見るだけだから」

「ムリムリ...。そんな」

普通誰にも見せないでしょ。

航平が急に大人しくなって、コタツに座り直している。

「...俺ってそんな信用ナイ?」

は?

そういうレベルの話?

「信用、とかじゃないよ。そんなアプリとか使いこなしてないから恥ずかしいだけ」

「ふーん」

なんだか拗ねてる。

え、拗ねるとこ??

怒ったり、拗ねたりするポイントがよくわからない。

「で。結局いくら払えばいいの」

「...だから、3万」

なんだか余計に機嫌が悪くなったような???

何。

何なのよー。

「わかった」

かなりの沈黙の後、不本意そうにそうつぶやいた。

何なんだ。

さっきまで楽しくルール決め出来てたのに。

オトコのコケンにでもかかわるんだろうか


「でもさ、洗濯物を畳んでくれるの、すごい助かってる」

ちょっとご機嫌取りとしてはワザとらしかったかな。

でも助かってるのは、本当。

今まで、洗濯物を干して、そのまま次の日に着たりとか。
タンスに仕舞う事なく、ぐるぐる着まわしていた。

「あと、お布団!」

シーツも毎日洗って、布団も干してくれているのだろう、毎日すごく気持ちがイイ。

やっぱり外に干すと、ふかふか具合が全然違う。
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