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ガーネット弐番館
第7章 unusual
お料理もどれも美味しくて、お酒がこれまた進む。
一皿食べ終えたら、次のお料理が出てきて。
また違うお酒を頼んだりして、次から次へと堪能した。

「美味しーい!」

すっかり機嫌が良くなるのが、自分でも分かる。

「そりゃ良かった」

さっきのことは無かったかのように楽しく食事した。

何よりもう思い出したくない。

デザートのフルーツを食べていると、その思い出したくない話を航平が蒸し返す。
 
「さっきの指輪。気に入ってたんじゃないの?」

そりゃ、綺麗でしたよ。

そんなキラキラした目で覗き込むように見られても。

「それとも他のブランドで気になるのでもあんの?」

...いつまで続くのかしらね。この冗談。  

それともコント?

航平は、なんだか楽しそうだけど。

本当に笑えない。

「ね、もう辞めない?」

そう言い出すと、航平の湯のみを持ち上げかけた手が止まる。 

「...は?」

は?だって。

そんな驚いたみたいな。

「そりゃ、私が悪かったわよ。だから、謝ったじゃない。それなのにこんなに引っ張って」

まさか、ハリーウィンストンまで予約するようなことを仕掛けて来るとは思わなかった。 
いくらなんでもやり過ぎだと思う。

しばらく沈黙が続いて。

「ん?」

ん、じゃないし。

悪びれた様子はひとつもなくて。

ここまでやり切れるって、ある意味凄い。


「何の話?」

「だから、さっきのハリーウィンストンよ。本当にびっくりしたんだけど!買いもしないのにあんなとこ、ほんっと冗談で済まされな」

「冗談じゃないけど??」

冷静ではあるが、食い気味に航平が遮る。


??


...冗談じゃ、ない??

「買うつもりで行ったけど」

はいいい???

買うつもり?

え、今、買うつもりって言った???

「あ、それで店を早く出た訳だ」

何やら航平は納得し始めた。

と、同時に不機嫌にもなる。

「お金の心配してんだ。なるほどね」

いやいやいやいや!!!!

確かにお金の心配もしたけども!!

「だから、貯金ならあるって言ったじゃん。信用ねぇな」

いや。そういう信用とかそんなんじゃなくて。


「ねぇ...」

「ん?」

「本当に買うつもりだった?ハリーウィンストンを??」

「睦美が、婚約指輪はあそこがいいって言い出したんでしょ」
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