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ガーネット弐番館
第7章 unusual
「その前に言ったんだよ。じゃねぇと、ホテルなんて誘わないから」

そんなの分かんないじゃん。
そーゆーのが目的なのかと思ったんだもん。

航平は、両足に両膝をついて、おでこの前で手を組んでいる。

「私の事、...好きだった、の?」

こんな事を聞くのもオカシイけど。

航平がぴくりと小さく動いたあと、そのままの体勢で呟く。

「...ああ、好きだったよ。今でも好きだよ」

!!!

初めて聞いた。

そんな事、絶対口にしない人だと思っていたので、驚いた。

「ムカつく。全て俺の勘違いだった訳だ」

...まさか。

泣いてる?

「私も、好きだったよ。...もちろん、今も」

航平の腕に手を差し伸べる。

「あの時、気づかなくてごめんね」

動かないままの航平を抱きしめる。

今までの不可解な航平の言動は、全てそこから来ていたのかと納得した。

こんなすれ違いっていうか、お互いに勘違いしまくりって、有り得る??

なんだか、色々思い返すと笑えてくる。

声を殺して笑っていたけど、振動で航平に伝わったらしい。

「...笑うとこ?」

「だって。ずっと悩んでたのがバカらしくって」

昔のツテで、カモにされて、アパートに居座られて、セフレとして利用された。
婚約ネタでもからかわれて、ずっと悩んでた。
そう思っていたことを伝える。

「んな事するかよ!」

驚きと怒りなのか、航平がやっと顔を上げた。

「だって、何も言われなかったし。その、...好かれてるとか、全く思えなくて」

腕を回して、ぎゅうっと抱きしめてきた。

「...ごめん」

睦美も体に手を回し直す。

「これからは、ハッキリ言ってね。私、ハッキリ言って貰わないとまた気付かないかもだから」

...これから、があれば、だけど。

航平が少しだけ笑っているのが、振動でわかる。

「分かった」

そう言うと、体が離れて、するりとソファから降りた。

愛想が尽きた?さっそく、別れ話??

かなりの間が、また睦美を不安にさせる。

そのまま、手が握られ、下を向いていた顔が睦美に向けられる。

「...睦美。俺と、結婚してくれる?」
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