この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ガーネット弐番館
第1章 再会
「どうも...」
ぺこりとして、人混みに紛れようとしたものの、無理だった。
「孫たちよー。ほら、こんばんはは?」
今井さんの周りには、人が多くどこからどこまでか分からないが、お子さん家族と、ちびっこがわらわらしている。
「こんばんは〜!!」
「こんばんは」
ここは無難に挨拶を済ませて、にこやかに立ち去ろう。
「あら。ちょっと、ちょっと待って」
なんと、椅子から立ち上がり追いかけてきた。
「ほら、中野さん。気になってたの。あの書類、まだかしら」
「...ああ。あの書類ですね。今度持っていきます」
早く切り上げたい。
そして、どうぞ待っているお孫さんたちの所に戻って欲しい。
よりによって、なんでこのタイミングでこの人に出会ってしまったのか。
会計も混んでいるのか、航平がまだお店から出てこないのが幸いだ。
「お忙しいとは思うんだけどね〜。ほら、あそこの大家さんがね、心配してらしてて〜。もう半年にもなるのに、書類が出せないのは、何か理由があるんじゃないかしらって仰ってて〜。私はそんな心配はしなくても、中野さんがしっかりした方だと、お伝えしてるんだけどぉ。あの方、心臓を悪くされてるでしょう?だから、早めに安心させてあげたいのよね〜」
マズい。これは止まらない。
書類なんか適当に書いて出しておけばよかった。
悪い人ではないのだが、今この場所では1番会いたくない人なのに。
マシンガントークをしつつも、そわそわしている睦美に気づいたらしい。
「あら。どうかされて?」
「いや。ほんっと、すいません。持っていきます!本当に近いうちに!」
なんとか、なんとか切り上げるしかない。
航平が出てくるまでに!
「どうした?」
背後から航平が心配そうな声を掛けてきた。
「あら?あら...。あら!!」
マズい。
冷や汗が滝のように背中を流れる。
「ひょっとして、彼?」
「いや...。その」
聞いときながら、おばちゃんは航平にかぶりつきだ。
睦美の制止など全く効果ない。
「あっらー!!!どうも〜。はじめまして〜!私、今井です〜!!あら、貴方が!そう〜」
「あ、どうも」
ぺこりとして、人混みに紛れようとしたものの、無理だった。
「孫たちよー。ほら、こんばんはは?」
今井さんの周りには、人が多くどこからどこまでか分からないが、お子さん家族と、ちびっこがわらわらしている。
「こんばんは〜!!」
「こんばんは」
ここは無難に挨拶を済ませて、にこやかに立ち去ろう。
「あら。ちょっと、ちょっと待って」
なんと、椅子から立ち上がり追いかけてきた。
「ほら、中野さん。気になってたの。あの書類、まだかしら」
「...ああ。あの書類ですね。今度持っていきます」
早く切り上げたい。
そして、どうぞ待っているお孫さんたちの所に戻って欲しい。
よりによって、なんでこのタイミングでこの人に出会ってしまったのか。
会計も混んでいるのか、航平がまだお店から出てこないのが幸いだ。
「お忙しいとは思うんだけどね〜。ほら、あそこの大家さんがね、心配してらしてて〜。もう半年にもなるのに、書類が出せないのは、何か理由があるんじゃないかしらって仰ってて〜。私はそんな心配はしなくても、中野さんがしっかりした方だと、お伝えしてるんだけどぉ。あの方、心臓を悪くされてるでしょう?だから、早めに安心させてあげたいのよね〜」
マズい。これは止まらない。
書類なんか適当に書いて出しておけばよかった。
悪い人ではないのだが、今この場所では1番会いたくない人なのに。
マシンガントークをしつつも、そわそわしている睦美に気づいたらしい。
「あら。どうかされて?」
「いや。ほんっと、すいません。持っていきます!本当に近いうちに!」
なんとか、なんとか切り上げるしかない。
航平が出てくるまでに!
「どうした?」
背後から航平が心配そうな声を掛けてきた。
「あら?あら...。あら!!」
マズい。
冷や汗が滝のように背中を流れる。
「ひょっとして、彼?」
「いや...。その」
聞いときながら、おばちゃんは航平にかぶりつきだ。
睦美の制止など全く効果ない。
「あっらー!!!どうも〜。はじめまして〜!私、今井です〜!!あら、貴方が!そう〜」
「あ、どうも」