この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ガーネット弐番館
第9章 現実と理想と
だって、どれもとても美味しそうだったから。
「俺そろそろ行くわ」
「え、もう?」
睦美は食べ始めた所なのに。
「昼までには戻る。チェックアウトは13時だから、それまで部屋でゆっくりしてて」
え?チェックアウトってそんな遅くていいの?
てっきり10時ぐらいかと。
出かけてどこかで時間を潰そうかと思っていたけど、部屋で眠ってもいいかも。
なにせ昨日はあまり眠れてない。
航平はその間に立ち上がり、かけていたジャケットを羽織る。
スリーピースのスーツがスラリとした身体によく映える。
見とれていると、ネクタイを直しながら体を屈めて睦美の耳元に囁く。
「ベッドで待ってて」
「!!!」
冗談でしょ!
驚き航平の顔を見ても、いつもの、ん?て顔だ。
「じゃ」
「...行ってらっしゃい」
そう返すのがやっとだ。
拒否も快諾もしてないけど、なんだか航平の後ろ姿が嬉しそうに見えるのは気のせいだろうか。
いつもの、冗談だよね。
って、冗談だった事が無かったワケだけど。
顔が真っ赤になってる気がして、手で仰ぎながらアイスコーヒーを口にする。
...とりあえず、食べよう。
睦美は、目の前の朝ごはんに集中する。
どれも美味しくて、最初に取ってきたものはあっという間に平らげて。
2回、3回と取りにゆく。
3回目は、デザートで。
フルーツはもちろん、朝からケーキやプリンも並んでいる。
ほぼお腹いっぱいだけど、これは別腹だ。
普段デザートなんて贅沢品はほぼ買わないのだから、こんな時は食べなきゃ。
ぐるぐる回って何にしようか考えていると、可愛い人物と目が合う。
お母さんが前に抱えた、1歳か2歳ぐらいの子どもだ。
くるくるの髪の毛で、目がおっきな可愛い...男の子かな?
じーっとこちらを見ているので、小さく手を振ってみた。
きゃっきゃと喜んで、ぶんぶんと手を振り返してくる。
「あ、すいません。ありがとうございます」
その振動で、お母さんが気づいたようだ。
品の良さそうな、女子アナタイプの美人なお母さんだ。
「いえいえ」
こちらこそ、なんか、すいません。
お母さんは、にっこり笑ってくれたけど、下手したら変な人よね。
気をつけなきゃ。
「俺そろそろ行くわ」
「え、もう?」
睦美は食べ始めた所なのに。
「昼までには戻る。チェックアウトは13時だから、それまで部屋でゆっくりしてて」
え?チェックアウトってそんな遅くていいの?
てっきり10時ぐらいかと。
出かけてどこかで時間を潰そうかと思っていたけど、部屋で眠ってもいいかも。
なにせ昨日はあまり眠れてない。
航平はその間に立ち上がり、かけていたジャケットを羽織る。
スリーピースのスーツがスラリとした身体によく映える。
見とれていると、ネクタイを直しながら体を屈めて睦美の耳元に囁く。
「ベッドで待ってて」
「!!!」
冗談でしょ!
驚き航平の顔を見ても、いつもの、ん?て顔だ。
「じゃ」
「...行ってらっしゃい」
そう返すのがやっとだ。
拒否も快諾もしてないけど、なんだか航平の後ろ姿が嬉しそうに見えるのは気のせいだろうか。
いつもの、冗談だよね。
って、冗談だった事が無かったワケだけど。
顔が真っ赤になってる気がして、手で仰ぎながらアイスコーヒーを口にする。
...とりあえず、食べよう。
睦美は、目の前の朝ごはんに集中する。
どれも美味しくて、最初に取ってきたものはあっという間に平らげて。
2回、3回と取りにゆく。
3回目は、デザートで。
フルーツはもちろん、朝からケーキやプリンも並んでいる。
ほぼお腹いっぱいだけど、これは別腹だ。
普段デザートなんて贅沢品はほぼ買わないのだから、こんな時は食べなきゃ。
ぐるぐる回って何にしようか考えていると、可愛い人物と目が合う。
お母さんが前に抱えた、1歳か2歳ぐらいの子どもだ。
くるくるの髪の毛で、目がおっきな可愛い...男の子かな?
じーっとこちらを見ているので、小さく手を振ってみた。
きゃっきゃと喜んで、ぶんぶんと手を振り返してくる。
「あ、すいません。ありがとうございます」
その振動で、お母さんが気づいたようだ。
品の良さそうな、女子アナタイプの美人なお母さんだ。
「いえいえ」
こちらこそ、なんか、すいません。
お母さんは、にっこり笑ってくれたけど、下手したら変な人よね。
気をつけなきゃ。