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ガーネット弐番館
第9章 現実と理想と
「凄い絵になるファミリーだね」

ラブラブな雰囲気を隠してなくて。
でもそれが全然嫌味がナイ。

「まだ若いのにね~」

奥さんはちょっと年上っぽいけども。

「斎藤さん?若く見えるけど、俺らと同じぐらいだぞ」

「えっ!」

そんな風には全然見えなかった。
あの顔で30代とかあり得ない。

「しかも、めっちゃ仕事出来て。3ヶ国語ペラペラ。で、言っとくけど。今回、俺の上司にあたる人だからな」

「ええっ!」

サポートがどうのって、部下になる人だとばかり。

それで、航平が“さん”付けで呼んでたワケだ。

人は見かけによらない...。


「んな事より。部屋で待ってて、俺言わなかった?」

ネクタイを緩めながら、何やら怒ってる。

「...なんか眠れなくて、ブラブラしたかったの」

あの部屋では眠る気になれなかったのは、嘘じゃない。

小さく航平がため息をついている。

「着替えたかったのに」

...あ、そっち。

「荷物、フロント?着替えられっかな」

「あ、上の階に更衣室あったよ」

ウロウロしてた時に、結婚式場用の更衣室を見かけていた。

「ん。案内して」

少し強引に肩を掴まれて、連行でもされるかのようにして歩き出す。

斎藤さんご夫婦は、見つめ合って笑いあって手を握ってたのになぁ。

荷物を受け取って、更衣室で着替え、車に乗り込み、ホテルを後にする。


「さて。どこか行きたいとこ、あるんじゃなかった?」

そうだった。

久しぶりの都会で、食べたい名物やカフェや景色やらを調べていた。
睦美はスマホを取り出して、いくつかの候補を読み上げる。

「とりあえず、ガッツリ系の食べ物がいい」

そういえば、航平は朝ごはんをあまり食べてないんだった。

「じゃ、ここは?」

ネットで見つけたステーキ丼のお店。
写真がとにかく美味しそうなのだ。

「いいね」

航平が、ちらりと横目で見ただけで、投げやりな返答だ。

「え、見てないでしょ」

「...運転してんだけど」

そうだけど!
さっきから、なんかずっと微妙に不機嫌なんだもの。

仕事で、なんかあったのかな。

なんか聞ける雰囲気じゃない。

必要最低限の会話で、目的のお店に到着し、ステーキ丼を食べた。

なんか嫌な感じ。

車に乗ろうとした時、急に航平が口を開く。
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