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ガーネット弐番館
第9章 現実と理想と
それから、就職が決まらなかった時は、知り合いのおばさんの喫茶店を手伝ったり。
激安の洋服屋のアルバイトだったり。
職業訓練で、パソコン教室通ったり。
点々と色んな職種を経験して、やっと今の事務系の職場に落ち着いた。

「結婚しても続けたい?」

やけに仕事の事を聞いてくると思ったら、それが聞きたかったのか。

やっと腑に落ちた。

そうか、もうそんな事を考えないといけないワケだ。

「うーん。まだ正職員になって、1年経ってないからさ。すぐは辞めれないよね。きっと」

「そう」

それは、どっちの意味?

「辞めたほうがいい?」

航平の仕事が忙しくなると言ってた。
今までみたいに、航平が家事をする時間はまったく無いという意味だろう。
睦美は朝早い仕事で、航平は昼前〜夜遅くの仕事だろうし、すれ違い生活になるかも。

「いや。辞めて欲しいとかじゃなくて...」

少し言いにくそうだ。

「何?」

「ウチのレストランで働くの、どうかな」

もちろんシェフを初め料理スタッフは、他からスカウトして揃っている。
ホールのスタッフは、オープンの頃は他店からの手伝いを呼で。そのうち、現地で募集をする予定だ。

「一緒に働くってこと?」

「うん。そうなるね」

そうなれば、生活時間が同じになり、すれ違いは無くなる。

「嫌?考えられない?」

「嫌じゃない、と思うけど」

しかし、それは24時間常に一緒ということだ。
職場恋愛の経験が無い睦美には、あまり想像がつかない。

「スグじゃなくても、そのうちでいいよ」


ちょうど話が終わる頃、デートスポットとして有名な港に到着した。
パーキングに止めて、景色の良さげな所に移動する。

春が近づいていて、すごい風が吹きすさんでいる。
海辺だからか、街中よりもそれを激しく感じる。

流石の人気デートスポットも、人がまばらだ。
普段ならカップルがイチャイチャと座る海辺のベンチが軒並み空いている。
近寄ってみたが、風が凄い上に、ベンチが凍るように冷たくて到底座る気になれない。

近くのカフェに足を向けてみたものの。
どこも、凄い人が順番待ちをしていて座る所ではない。

ここまでとは思ってなかったのか、航平も呆然としている。

「日曜日だから、じゃない?」

平日が休みの事が多い航平は、日曜日イコール人が多いという感覚が無かった。
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