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ガーネット弐番館
第9章 現実と理想と
昼間のデートを考えることも久しぶりなのだろう。

せっかく機嫌が良くなって来てたのに、また無言になってしまった。

「ね、テイクアウトでいいじゃん。車で飲も」

3件目のカフェが、テイクアウトもやっていた。
少し並ぶが、店内程ではない。

見た目以上にしょんぼりした航平の手を握って、テイクアウトの列に並んだ。

風が強い中歩いて戻って、海なんて全く見えない駐車場の車内で飲む。

コーヒーのいい香りが、沈黙の車内に広がる。

「...美味しい」

詳しいことはわからないが、さっきのお店にはおそらく焙煎の機械があった。
きっとこだわりの豆なんだろう。

航平も頷いている。

「ねぇ、その航平たちが始めるプロジェクトさ」

「ん?」

「レストランのほかに、カフェもするって言ってなかった?」

第一段階が、古い蔵を改装した、カジュアルフレンチのレストラン。
少し遅れて、古民家を改装して、スイーツの種類がたくさんのカフェを作る。
そこまでは具体的に話が進んでいる。
これらが上手く行けば、宿泊施設なんかも併設する予定だ。

「カフェなら、私手伝いたい」

「ん?」

ちょっとだけ、喫茶店だけど働いたことあるし。
コーヒーに詳しいわけじゃないけど、飲むの好きだし。
なにより、航平と同じレストランでは気恥しいけど、近くのカフェならやっていける気がする。

航平が喜ぶ、と思っていたのに、なぜか不機嫌な顔だ。

「え、ダメ??」

「ダメじゃないけど」

何なんだ。

「カフェのほうは、人が足りてる」

あ、そうなんだ。

ん?じゃ、そんなムッとしなくてもよくない?
なんか隠してることない?

じっと航平を見つめると、観念したのか話し出す。

「インフルエンザかかったらしくて、急遽今日は来れなかったんだけど、原さんってご夫婦がカフェをすることになってて」

2人共、今はそれぞれ別のレストランのパティシエで。
本格的なスイーツを作るケーキ店兼カフェとして、この度ご夫婦でお店をオープンさせる。

まだ航平は会ったことがないのだが、噂では原さんご夫婦のご主人のほうがワイルド系のイケメンらしい。
パティシエの繊細な仕事ぶりとのギャップで、何度も雑誌に取り上げられているとか。


はい?

イケメンだから、何??

まさか、私の心配してんの??

「今日も斎藤さん見て、目がハートだったし」
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